F.モーザー・ヴァ・ポル・ラ・ホラ タイムトライアル・バイク

1984年、メキシコシティで、イタリアの自転車界のスーパースター フランチェスコ・モーザー は、名誉ある世界アワーレコードへの挑戦を敢行した。
エディ・メルクスが1972年に記録して以来、この記録は破られていない。

目標を達成するため、"lo sceriffo"（保安官）は12年前のメルクスとは異なるアプローチをとった。
メルクスはクラシカルなジオメトリーとドロップバーを備えたバイクに乗り、その巨大なパワー出力のために最大限の軽量化を図った。

モーザーはそれとは異なり、可能な限り空力的な走りを目指した。そのために特別なウェアと特別なバイクを用意した。正確には軽量ではなかったが、フレームはライダーの身体を空気力学的なポジションに強制した。マシンはディスクホイールで転がり、ブルホーンハンドルバーを備えていた。
フランチェスコ・モーザーは、この空気力学的改良によって、2度目の挑戦で51151メートルという待望の記録を打ち立てた！

この勝利に大きく貢献したマシンは、その後のすべてのタイムトライアルおよびパシュート用バイクの象徴となった。
ブルホーンバー、ロープロファイルフレーム、小さなフロントホイール、ディスクホイール。
モーザーの実車に憧れるライダーもいて、ついにモーザー社にトップモデルとして生産させるに至った。しかし、このようなフレームは非常に高価であったため、生産台数は少なかった。

そこで今回は、そんな珠玉の1台をご紹介しよう：1980年代のF.モーザー51.151 Va Por La Hora。
このバイクの名前は、1984年の挑戦の際、メキシコの陸上競技場のスピーカーが叫んでいた激励の歓声にちなんでつけられた。

コンディションは良好で、希少なペダル、デルタ・ブレーキ、モーザー・ブランドのコックピット、そしてもちろんディスク・ホイールを含むC-Recordグループセットを装備している！

1980年代の本物のTTバイクをお探しなら、これほど面白いものはないでしょう。